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HTC Nipponが3月1日にプレスイベントを開催し、2月のMobile World Congress 2011で発表した製品をあらためて紹介するとともに、HTCの製品戦略を説明した。【田中聡,ITmedia】
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HTCのCPO(最高製品責任者)の小寺康司氏は「2010年は第4四半期だけで全世界のスマートフォンが1億台販売され、(前年比で)90%以上増加している」と振り返るとともに、「今年はスマートフォンが広く皆さんの手に入る年になるので、スマートフォン専業メーカーとして期待している」と話した。同社のスマートフォンは「Desire」シリーズがおなじみだが、同シリーズは2010年に世界で2500万台が販売され、約1000万台だった2009年から倍以上の台数を記録した。売り上げは前年比で90%以上増加したという。
HTCのブランド認知度も向上しており、「1年半ほど前に13%だったものが、2010年は50%、市場によっては60%を超えている」(小寺氏)。
2011年にHTCが注力するポイントの1つが「4G」で、同社は米Verizon向けにLTE対応のスマートフォン「HTC ThunderBolt 4G」を発表している。小寺氏は「4Gの登場で世界が変わる。ケータイからスマートフォンへの移行よりもさらに加速して変化していく」と力を込める。
●正統派のスマートフォン3機種
同社がMobile World Congress 2011で発表した新製品は、「HTC Desire S」「HTC Wildfire S」「HTC Incredible S」「HTC ChaCha」「HTC Salsa」のスマートフォン5機種にタブレット端末「HTC Flyer」を加えた計6機種。
Desireの後継機となるDesire Sはデザインに注力し、ボディにはアルミの削り出しを用いている。カメラはインカメラも搭載し、ビデオチャットを利用できる。ディスプレイは3.7インチのワイドVGA液晶、チップセットはQualcommのSnapdragon「MSM8255」を搭載する。
Wildfire Sは幅約59.4ミリ、高さ約101.3ミリという小型ボディが特徴で、HTCスマートフォンの中でも最小クラスのモデルとなる。機能はDesire Sとほぼ同等。ボディカラーにもこだわり、同社製品では珍しい紫色のモデルもラインアップした。Wildfire Sに限らずカラーバリエーションは今後も拡大し、「1機種あたり3〜4色ほどを考えている」(小寺氏)という。デザイナーにある程度自由にデザインさせたというIncredible Sでは、中の基板がそのまま出ているかのような外観を目指し、裏面の中央部分を突起させた。
●単にFキーを付けただけではないFacebookフォン
スマートフォンの中核を占める前述の3機種のほか、Facebookをより簡単に利用できるソーシャルフォンとしてChaChaとSalsaも提供する。小寺氏はFacebook連携モデルを開発した理由に、SNSとスマートフォンの親和性の高さを挙げる。「現在、5億人のユーザーがFacebookを使っており、そのうち2億人(約40%)がケータイから利用している。この40%のユーザーは残りのユーザーの倍以上投稿しており、ケータイと組み合わせると使い勝手がいいことが分かる。さらに、2億人の約半数が朝起きたと同時に投稿し、その半分はベッドから出る前に使っている」(小寺氏)
ChaChaとSalsaはFacebook専用の[F]キーを備えているが、これは単なるショートカットではなく、Facebookと連携できる際にキーが光って操作を案内してくれる。例えば写真を撮った後にFキーが光り、このキーを押すと写真を投稿できる。ブラウザ利用時にFキーを押すとそのページをFacebookへアップロードでき、音楽再生中にFキーを押すと、アーティストや楽曲、アルバムジャケットなどの情報を共有できる。さらに、Fキーを長押しすると現在地にチェックインしてアップロードする機能もある。小寺氏は「ただのFacebookキーではなく、端末側で何をしているかを判断していろいろな機能と連携できる」と説明する。
●DesireやHDはAndroid 2.3へアップデート予定、EVOは?
OSについてはDesire S、Wildfire S、ChaCha、SalsaがAndroid 2.3.3、Incredible SがAndroid 2.2を採用。2.3.3採用機でNFCに対応しているモデルはない。小寺氏によると、NFCについては2011年後半に対応機の投入を目指し、そのタイミングでFeliCaの搭載も検討するという。いずれの機種も4月下旬から欧州やアジアで順次発売される予定。
日本で発売中の「HTC Desire X06HT/X06HTII」と「HTC Desire HD 001HT」については「キャリアの認定を受け次第、Android 2.3へアップデートする予定。HDの方が先になるだろう」(小寺氏)とした。またau向け「htc EVO WiMAX ISW11HT」のOSは現状ではAndroid 2.2だが、「プラットフォームとしては2.3へのアップデートも可能」とのこと。ただし時期は未定。
●独自UIを備えた“軽い”タブレット「HTC Flyer」
HTC初のタブレット端末として発表されたのが、7インチディスプレイを備えるFlyerだ。タブレットの発表が他社と比べてやや遅れたのは「急いで出すよりは、時間をかけて差別化を図ることに注力したため」(小寺氏)。Flyerにも裏面に削り出しのアルミを用いており、プレミアム感が出るようこだわった。素材に金属を使うと重くなりがちだが、Flyerの重さは約415グラム。日本で発表された約620グラムの「Optimus Pad L-06C」と約700グラムの「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」と比べると軽くて持ち運びやすい。
FlyerのOSはAndroid 2.3だが、今夏にAndroid 3.0へアップデートする予定。ただし、アップデート後もOptimus PadやMOTOROLA XOOMなどに使われてるAndroid 3.0の(素の)UI(ユーザーインタフェース)は使わず、当初から採用しているHTC Senseを継続させるという。1.5GHzのCPUにより、「3.0へアップデートしてもパフォーマンス面での問題はない」(小寺氏)とのこと。ホーム画面は縦と横の表示に対応し、独自のウィジェットや3D表示が可能になる。開発終了前の試作機のため細かい操作はできなかったが、Android 3.0の標準UIとは異なる印象を受けた。
Flyerの特徴的な機能の1つが、デジタルペンでWebページや写真などにメモを書き込める「HTC Scribe」だ。どんな画面でもメモを書き込め、JPEGに保存してメールで送ったりもできる。さらに、Timemark機能を使うと、メモを書き込みながら音声を録音でき、メモをした単語をタップすると、メモをした時点に録音された音声が再生されるので、ミーティングなどに重宝する。
このほか、HTCの動画ダウンロードサービス「HTC Watch」や、モバイルクラウドゲーム「OnLive」もFlyer向けに提供される。OnLiveはストリーミングでゲームを配信するサービスで、ゲームの映像を記録したり共有したりできる。欧州から展開し、アジアにも順次提供する予定。
今回発表した6機種を日本で供給するかは未定だが、「現在は(キャリアに)売り込みをしている。世界中どの市場にも投入したいと思っている」と小寺氏は話す。「日本では出し方が中途半端な機種もあった。auのEVOのように、キャリアとしっかり組んで、投入の仕方を考えたい」
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